45歳から80歳までに必要なお金は、生活費やライフスタイル、家族構成、住んでいる場所、医療費などの条件によって大きく異なりますが、基本的な計算を行うことでおおよその目安を立てることができます。以下に、一般的な日本におけるシナリオを基に概算してみましょう。
目次
1. 生活費の見積もり
まずは年間の生活費を概算する必要があります。夫婦二人で生活している場合、一般的な生活費は以下のように分かれます。
生活費の目安(年間)
- ゆとりある生活:500万円〜700万円
- 標準的な生活:300万円〜500万円
- 節約生活:200万円〜300万円
これらの生活費には、食費、家賃(または住宅ローン)、光熱費、交通費、保険料、雑費などが含まれます。
例えば、年間生活費を400万円と仮定します。
2. 45歳から80歳までの年数
45歳から80歳までは35年間です。
- 年間の生活費が400万円であれば、35年間での生活費は以下のように計算されます。
400万円(年間生活費) × 35年 = 1億4000万円
3. 老後の公的年金収入
65歳以降に公的年金が支給されるため、全額を自己資金でまかなう必要はありません。
- 公的年金の目安(夫婦二人分の例)
- 国民年金と厚生年金が受け取れる場合、夫婦で月額22万円〜24万円程度(年間264万円〜288万円)と想定します。
65歳から80歳までの15年間の年金総額:
- 年間264万円の年金収入と仮定すると、
年間264万円 × 15年 = 3960万円
- 年金が4000万円程度得られるとします。
45歳から80歳までの必要な総額の計算:
- 45歳から65歳までの生活費(自己資金で賄う必要がある期間):20年分
400万円 × 20年 = 8000万円
- 65歳以降の自己負担分(年金との差額で生活費を補う額)
- 年間生活費400万円から年金264万円を引いた136万円を自己負担するとして、15年分を計算。
136万円 × 15年 = 2040万円
総額の概算:
8000万円(45歳〜65歳までの生活費) + 2040万円(65歳〜80歳までの不足分) = 1億4000万円
4. 追加費用の考慮
上記の計算はあくまで基本的な生活費のみです。以下の追加費用も考慮する必要があります。
- 医療費:高齢になると、医療費や介護費用が増加します。高額医療制度や介護保険も利用できますが、医療費として年間20万円〜50万円程度は見込んでおくと安心です。
- 趣味・旅行・交際費:趣味や旅行、家族や友人との交際に費用をかけたい場合は、その分を追加で見込む必要があります。
- 住宅リフォームや修繕費:自宅のリフォームや大規模な修繕費用も考慮する必要があります。
5. インフレ・物価上昇のリスク
35年という長い期間では、インフレによって生活費が上昇する可能性があります。過去の日本では年平均1-2%程度の物価上昇が見られていますが、これが続くと物価上昇に対応するために、追加で資金が必要となります。
まとめ
45歳から80歳までに必要なお金の概算は、1億2000万円〜1億5000万円程度が目安となります。これには、基本的な生活費や医療費の余裕も含めた金額です。
年金や資産運用を活用し、生活水準を見直すことで、この金額を調整できます。財務アドバイザーに相談して、具体的なライフプランを立てることが重要です。