「親を特別養護老人ホームに入れたいけど、月々いくらかかるの?」と不安に感じている方は多いと思います。実は特養の費用は年収・所得によって自己負担額が大きく変わる仕組みになっており、きちんと理解すれば家計への影響を事前に把握できます。この記事では費用の内訳から年収別の負担軽減制度まで、具体的な数字を交えてわかりやすくご説明します。
目次
特別養護老人ホームの基本的な費用構成
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特別養護老人ホーム(以下、特養)は公的介護施設の一つで、要介護3以上の方が入所できる施設です。費用は大きく以下の4つで構成されています。
- 介護サービス費(自己負担分):介護保険が適用されるサービスの費用。1〜3割を自己負担。
- 居住費(室料・光熱費):部屋代や光熱費にあたる費用。
- 食費:1日3食の食事代。
- 日常生活費:日用品・理美容代・レクリエーション費などの実費。
この4つを合計したものが毎月の支払額となります。部屋のタイプによっても費用は異なり、一般的な目安は以下のとおりです(2024年度以降の基準額を参考に記載。実際の金額は施設・地域・介護度により異なります)。
| 部屋タイプ | 居住費(1日) | 食費(1日) | 介護サービス費(月・1割負担・要介護3) |
|---|---|---|---|
| 多床室(相部屋) | 約855円〜 | 約1,445円〜 | 約2万円前後 |
| ユニット型個室的多床室 | 約1,310円〜 | 約1,445円〜 | 約2万円前後 |
| ユニット型個室 | 約2,006円〜 | 約1,445円〜 | 約2万円前後 |
たとえば多床室で要介護3・1割負担の場合、月々の総額は概ね7〜9万円程度になることが多いです。ただしあくまで目安であり、施設や介護度・地域によって変わります。必ず入所予定の施設に確認してください。
年収・所得で変わる介護サービス費の自己負担割合
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介護保険の自己負担割合は1割・2割・3割の3段階があり、本人の合計所得金額と世帯の年金収入等の合計額によって決まります(2024年8月時点の制度を参考。今後変更の可能性あり)。
| 自己負担割合 | 65歳以上の場合の目安 |
|---|---|
| 1割 | 合計所得金額が220万円未満、または年金収入+その他合計所得が単身280万円未満(夫婦346万円未満) |
| 2割 | 合計所得金額が220万円以上340万円未満かつ年金収入+その他合計所得が単身280万円以上(夫婦346万円以上) |
| 3割 | 合計所得金額が340万円以上かつ年金収入+その他合計所得が単身340万円以上(夫婦463万円以上) |
なお、判定基準は毎年改正される可能性があります。必ずお住まいの市区町村窓口や厚生労働省の公式情報をご確認ください。
自己負担割合が変わると、たとえば要介護3の介護サービス費だけで月に1割:約2万円 → 3割:約6万円と3倍の差になることもあります。親の年収・所得を事前に把握しておくことが大切です。
低所得者を守る「補足給付(負担限度額認定)」とは
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特養の費用の中で居住費・食費は介護保険の給付対象外ですが、低所得の方に対しては「特定入所者介護サービス費(補足給付)」という制度があります。これは所得・資産に応じて居住費・食費に上限(負担限度額)を設け、超えた分を介護保険から補助してもらえる仕組みです。
負担段階は4段階に分かれている
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| 段階 | 主な対象(目安) | 食費の負担限度額(1日) | 多床室 居住費の限度額(1日) |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 生活保護受給者、老齢福祉年金受給者で預貯金等が単身1,000万円以下 | 300円 | 0円 |
| 第2段階 | 年金収入等が単身年80万円以下かつ預貯金等が単身650万円以下 | 390円〜600円 | 370円 |
| 第3段階① | 年金収入等が単身年120万円以下かつ預貯金等が単身550万円以下 | 650円 | 370円 |
| 第3段階② | 年金収入等が単身年120万円超かつ預貯金等が単身500万円以下 | 1,360円 | 370円 |
※第4段階は補足給付の対象外(通常の居住費・食費を全額負担)です。数字は2024年度時点の参考値。詳細は市区町村へご確認ください。
また、預貯金・有価証券等の資産額も審査対象になります。たとえ年金収入が少なくても、資産が多ければ対象外になる場合があります。申請は市区町村の介護保険担当窓口で行い、「負担限度額認定証」を取得する必要があります。
高額介護サービス費制度で上限を超えた分は戻ってくる
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介護保険の自己負担額(居住費・食費・日常生活費は除く)が1か月の上限額を超えた場合、超えた分を払い戻してもらえる制度が「高額介護サービス費」です。所得区分別の上限額の目安は以下のとおりです(2024年度参考値)。
| 区分 | 月の上限額(自己負担) |
|---|---|
| 課税所得690万円以上 | 140,100円 |
| 課税所得380万円〜690万円未満 | 93,000円 |
| 課税所得145万円〜380万円未満 | 44,400円 |
| 世帯全員が市区町村民税非課税等 | 24,600円(15,000円) |
こちらも自動的に還付されるわけではなく、初回のみ申請が必要な場合があります(2回目以降は自動適用される自治体が多い)。該当しそうな場合は市区町村の窓口に問い合わせてみましょう。
年収別のモデルケース:実際の月額負担をシミュレーション
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同じ施設でも所得によって月額負担が大きく異なります。以下は多床室・要介護3・1割負担を基本とした概算のモデルケースです(あくまで参考例です)。
| ケース | 年金収入等の目安 | 負担段階 | 月額概算(介護費+食費+居住費) |
|---|---|---|---|
| Aさん(低所得) | 年間約60万円以下 | 第2段階 | 約4〜5万円程度 |
| Bさん(中所得) | 年間約130万円前後 | 第3段階② | 約6〜7万円程度 |
| Cさん(比較的高所得) | 年間約200万円超(課税) | 第4段階(補足給付なし) | 約9〜11万円程度 |
このように、補足給付が適用されるかどうかで月4〜5万円以上の差が生じることもあります。制度を知っているかどうかが、家計への影響を大きく左右します。
- 介護保険証・課税証明書を準備して市区町村窓口へ相談
- ケアマネジャーや地域包括支援センターに制度活用を相談
- 施設見学時に費用の詳細を必ず書面で確認
- 補足給付・高額介護サービス費は申請が必要なので忘れずに
まとめ:制度を正しく理解して家族の負担を減らそう
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特別養護老人ホームの費用は、年収・所得・資産額によって大きく変わります。今回ご紹介した内容を整理すると:
- 月額費用は介護サービス費+居住費+食費+日常生活費の合計
- 自己負担割合は所得により1〜3割に分かれる
- 低所得の方には補足給付(負担限度額認定)で居住費・食費が軽減される
- 自己負担が月の上限を超えたら高額介護サービス費で払い戻しがある
- いずれの制度も申請が必要なので早めに窓口へ相談を
「うちの親はどの段階になるの?」と不安な方は、地域包括支援センターやケアマネジャー、市区町村の介護保険担当窓口にまず相談してみましょう。情報を集めて事前に準備しておくことが、家族みんなの安心につながります。
※本記事の情報は2024年度時点の制度を参考に作成しています。介護保険制度は毎年改正が行われる場合があります。具体的な費用・負担額については、必ずお住まいの市区町村窓口や厚生労働省の公式情報をご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、特定の行動を推奨・保証するものではありません。

