介護施設の請求書を見て、食費や居住費の負担が気になっていませんか。介護保険の「負担限度額認定」は、一定の条件を満たす人の施設での食費・居住費を軽減する制度です。
負担限度額認定とは?軽減される費用と施設
みらい犬
負担限度額認定は、正式には特定入所者介護サービス費に関する認定です。食費・居住費は原則として利用者が施設と決めた額を負担しますが、認定を受けた人は、所得などに応じた負担限度額までの支払いとなり、基準費用額との差額が施設に支給されます。施設との契約額などによって実際の扱いは異なるため、見積書も確認しましょう。
主な対象は、介護保険施設である特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院への入所や、これらの施設の短期入所生活介護・短期入所療養介護(ショートステイ)です。地域密着型特別養護老人ホームも対象に含まれます。
- 対象になる費用:対象施設での食費と居住費(滞在費)
- 原則として対象外:介護サービス費の自己負担、日用品費、理美容代など
- 原則として対象外の施設:有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホームなど
「施設に入っていれば必ず使える制度」ではありません。施設の種類と利用するサービス名を、契約書やケアマネジャーに確認するのが第一歩です。
対象者の条件:住民税と預貯金等を確認
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対象となるには、原則として次の両方を満たす必要があります。
- 本人を含む世帯全員が住民税非課税で、別世帯の配偶者も住民税非課税であること
- 本人と配偶者の預貯金等の合計が、利用者負担段階ごとの上限以下であること
配偶者には、住所を分けている配偶者や内縁関係の人も含まれます。預貯金等には預金のほか、有価証券、投資信託、現金なども含まれ、負債は所定の方法で差し引かれます。生命保険や不動産など、対象に含まれない資産もあります。申告する範囲は申請先の案内を確認してください。
65歳以上の人について、預貯金等の上限の目安は次のとおりです。第2・第3段階の区分には、年金収入額とその他の合計所得金額を用い、非課税年金である遺族年金・障害年金も判定に含まれます。
| 利用者負担段階 | 収入等の目安 | 預貯金等の上限(単身/夫婦) |
|---|---|---|
| 第1段階 | 生活保護受給者、または住民税非課税世帯の老齢福祉年金受給者 | 原則1,000万円/2,000万円 |
| 第2段階 | 年金収入額等が年80万9,000円以下 | 650万円/1,650万円 |
| 第3段階① | 同80万9,000円超~120万円以下 | 550万円/1,550万円 |
| 第3段階② | 同120万円超 | 500万円/1,500万円 |
表の第1段階の資産上限は老齢福祉年金受給者についての目安で、生活保護受給者の扱いは申請先に確認してください。第2号被保険者(40~64歳)の預貯金等の上限は、段階にかかわらず単身1,000万円、夫婦2,000万円です。住民税が非課税でも、資産要件を超えれば認定されません。
食費・居住費はいくらになる?
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認定後の食費の負担限度額(1日当たり)は、第1段階300円、第2段階390円(ショートステイは600円)、第3段階①650円(同1,000円)、第3段階②1,360円(同1,300円)です。施設入所とショートステイで異なる段階がある点に注意しましょう。
居住費は部屋の種類と段階によって変わります。例えば特別養護老人ホームなどの従来型個室では、第1段階380円、第2段階480円、第3段階①・②は880円が1日当たりの負担限度額です。介護老人保健施設や介護医療院の従来型個室には別の額が適用されます。多床室やユニット型個室にもそれぞれの額があります。
単純に30日分の食費を計算すると、施設入所の第2段階では390円×30日=11,700円です。ただし、これに居住費や介護サービス費の自己負担などが加わります。実際の請求額は利用日数、部屋、施設との契約内容によって異なり、認定だけで施設費用の総額が決まるわけではありません。
申請方法と、忘れやすい更新・変更手続き
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申請先は、本人の介護保険の保険者である市区町村の介護保険担当窓口です。住所地特例の対象施設に入所している場合は、施設所在地ではなく入所前の市区町村が保険者となることがあるため、介護保険被保険者証で確認してください。
- 施設の種類と費用を確認し、市区町村から申請書を入手する。
- 本人・配偶者の収入や預貯金等を確認し、必要書類をそろえる。
- 申請書と預貯金等の申告書、通帳の写しなどを市区町村に提出する。
- 認定されたら、交付された「介護保険負担限度額認定証」を施設に提示する。
通帳の写しは、金融機関名・口座名義・残高が分かる部分や、一定期間の取引履歴などを求められることがあります。配偶者分や複数口座の提出漏れにも注意しましょう。必要書類や本人確認・代理申請の方法は自治体によって異なります。
認定証の有効期間は通常、申請した月の初日から次の7月31日までです。継続して利用する場合は更新申請が必要です。申請前の月まで遡って適用できるとは限らないため、入所やショートステイの予定が決まったら早めに窓口へ相談しましょう。世帯・配偶者の課税状況や預貯金等に変化があった場合も、届け出の要否を確認してください。
【シミュレーター】介護費用の総額を試算してみよう
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介護場所や期間によって費用の見通しは変わります。以下で介護費用の概算を確認し、家計で準備する金額を考える材料にしてください。
※ 生命保険文化センター「2024年度 生命保険に関する全国実態調査」等の平均値に基づく簡易試算です。実際の費用は地域・施設・所得状況・加算サービスにより大きく異なります。施設の見学・ケアマネジャーへの相談を必ず行ってください。
この試算は負担限度額認定の対象判定や、認定後の食費・居住費の計算ではありません。認定の可否は市区町村に、実際の施設費用は施設に確認しましょう。
まとめ:施設と条件を確認し、早めに申請を
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負担限度額認定を利用できるかは、対象施設の利用、住民税非課税の要件、預貯金等の要件がポイントです。認定されると食費・居住費の負担が抑えられますが、介護サービス費や日用品費まで無料になる制度ではありません。入所予定の施設から見積書を取り、介護保険の保険者である市区町村に申請方法と最新の判定基準を確認してください。
この記事は2026年10月2日時点の公表情報に基づく一般的な説明です。制度の改正や自治体ごとの必要書類・取り扱いについては、厚生労働省および介護保険の保険者である市区町村の最新情報をご確認ください。個別の認定結果や請求額を保証するものではありません。
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