「親にお金をあげたい」「子どもの口座にまとまったお金を移したい」――そんなとき、贈与税がいくらかかるのかは気になるところですよね。結論からいうと、年間110万円までは贈与税がかからない仕組みがあります。この記事では、その基礎控除の仕組みと計算方法を、具体例を交えてわかりやすく解説します。
目次
そもそも贈与税とは?どんなときにかかる?
みらい犬
贈与税とは、個人から個人へ無償でお金や財産を渡した(贈与した)ときに、もらった側(受贈者)にかかる税金です。親子・夫婦・兄弟など家族間の贈与でも対象になります。
贈与と見なされる主なケースは以下のとおりです。
- 親が子の銀行口座に現金を振り込む
- 祖父母が孫に高額な学費・生活費以外のお金を渡す
- 土地・建物・株式などの財産を無償で譲る
- 著しく低い価格で財産を売買する(みなし贈与)
ただし、生活費や教育費として必要な金額をその都度渡す場合は、一般的に贈与税の対象外とされています(まとめて渡して使わずに貯めていた場合などは課税対象になることがあります)。
基礎控除110万円の仕組み――年間いくらまで非課税?
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贈与税には「暦年課税」の基礎控除として、年間110万円が設けられています(2025年4月時点・国税庁情報より)。この110万円は次のようなルールで適用されます。
「110万円」は受け取る側1人あたり・1年あたりの金額
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- 110万円の基準は「もらった人(受贈者)ごと」に1年間(1月1日〜12月31日)の合計で判断します。
- 例:Aさんがお父さんから80万円、お母さんから60万円をもらった場合→合計140万円となり、110万円を超えるため贈与税の申告が必要です。
- 逆に、Aさんがお父さんから80万円だけもらった場合→110万円以下なので贈与税はかかりません。
申告は不要?必要?
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年間の贈与額が110万円以下であれば、贈与税の申告は原則不要です。110万円を超えた場合は、翌年の2月1日〜3月15日の間に贈与を受けた人が税務署へ申告・納税する必要があります。
贈与税の計算方法――具体例でわかりやすく
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贈与税の計算式は次のとおりです。
① 課税価格 = 1年間の贈与合計額 − 110万円(基礎控除)
② 贈与税額 = 課税価格 × 税率 − 控除額
税率は「一般税率」と「特例税率(直系尊属から18歳以上への贈与)」の2種類があります。主な税率は以下のとおりです(2025年4月時点)。
| 課税価格 | 一般税率 | 控除額 | 特例税率 | 控除額 |
|---|---|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | なし | 10% | なし |
| 300万円以下 | 15% | 10万円 | 15% | 10万円 |
| 400万円以下 | 20% | 25万円 | 15% | 10万円 |
| 600万円以下 | 30% | 65万円 | 20% | 30万円 |
| 1,000万円以下 | 40% | 125万円 | 30% | 90万円 |
| 1,500万円以下 | 45% | 175万円 | 40% | 190万円 |
| 3,000万円以下 | 50% | 250万円 | 45% | 265万円 |
| 3,000万円超 | 55% | 400万円 | 50% | 415万円 |
※特例税率は、祖父母・親など直系尊属から18歳以上の子・孫への贈与に適用されます。それ以外は一般税率です。税率は改正される場合があるため、国税庁の最新情報もご確認ください。
計算の具体例
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【例1】親(50代)から子(25歳)へ200万円を贈与した場合(特例税率)
- 課税価格:200万円 − 110万円 = 90万円
- 贈与税:90万円 × 10% = 9万円
【例2】叔母から姪(30歳)へ500万円を贈与した場合(一般税率)
- 課税価格:500万円 − 110万円 = 390万円
- 贈与税:390万円 × 20% − 25万円 = 53万円
【シミュレーター】贈与税の課税額を試算してみよう
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贈与する金額や関係性を入力するだけで、おおよその贈与税額を簡単に確認できます。実際に申告・納税する際は、税理士や税務署にご相談ください。
本シミュレーターは2024年時点の贈与税の一般税率・特例税率(直系尊属から18歳以上の子・孫への贈与)に基づいて試算しています。基礎控除は受贈者1人あたり年間110万円で計算しており、相続時精算課税制度や住宅取得等資金の非課税特例など各種特例は考慮していません。実際の税額は個々の状況によって異なりますので、詳細は税理士または税務署にご確認ください。
※このシミュレーターは目安の試算です。実際の税額は贈与の種類・状況によって異なります。正確な金額は国税庁のサイトや専門家にご確認ください。
贈与税がかからない・軽減される主な特例制度
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贈与税には、一定の要件を満たすと非課税になる・控除額が増える特例制度があります(2025年4月時点。各制度の適用期間・要件は変更されることがあるため、国税庁の公式情報をご確認ください)。
- 教育資金の一括贈与の非課税制度:祖父母・親から子・孫への教育資金として、最大1,500万円(学校等以外は500万円)まで非課税。金融機関との契約が必要。
- 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度:直系尊属から18歳以上50歳未満の子・孫へ最大1,000万円(結婚関係は300万円)まで非課税。
- 住宅取得等資金の贈与の非課税制度:父母・祖父母から住宅購入・増改築資金として一定額まで非課税。要件・非課税限度額は取得する住宅の種類・時期によって異なります。
- 配偶者への居住用不動産・購入資金の贈与控除(おしどり贈与):婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産または購入資金を最大2,000万円まで控除。
- 相続時精算課税制度:60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫へ、累計2,500万円まで贈与税が非課税(相続時に相続財産として合算して精算)。2024年以降は年間110万円の基礎控除が新設されました。
各特例は申請・手続きが必要なものがほとんどです。利用を検討する際は、税理士や税務署への相談をおすすめします。
まとめ:110万円ルールを上手に活用しよう
みらい犬
この記事のポイントをまとめます。
- 年間110万円以下の贈与は、基礎控除の範囲内で非課税・申告不要
- 110万円は「もらった人1人あたり・1年あたり」の金額(複数人からもらう場合は合算)
- 贈与税は「課税価格(贈与額−110万円)×税率−控除額」で計算する
- 税率は関係性によって「一般税率」と「特例税率」に分かれる
- 教育資金・住宅取得資金など、条件を満たせば使える特例制度もある
- 相続時精算課税制度は2024年以降に制度が変わっており、最新情報の確認が必要
毎年の110万円枠を活用した「暦年贈与」は、長期的な相続対策として広く知られています。ただし、毎年同じ金額・同じ日付で続けると「定期贈与」と見なされ課税対象になるリスクもあります。実際に計画的に進める場合は、税理士などの専門家に相談しながら進めるのが安心です。
※本記事は2025年4月時点の情報をもとに作成しています。税制は改正されることがありますので、最新の情報は国税庁公式サイトまたは税理士・税務署にてご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務・法務アドバイスを行うものではありません。具体的なご判断は専門家にご相談ください。
