2025年版】所得税を「ちゃんと理解したい人」のための超ていねい解説ガイド

所得税って、なんとなく給料から引かれているけれど、「どう計算されているのか」「どこまでが自分でコントロールできるのか」までは、意外と知らないままになりがちですよね。
この記事では、参考記事(〖2025年最新版〗所得税の税率一覧と計算方法)をベースにしつつ、もう一歩踏み込んで「家計目線」で理解できるように整理していきます。

1. まず押さえたい「収入・所得・課税所得」の違い

みらい犬

最初は「年収=税金計算のもと」だと本気で思ってたワン…。でも仕組みを知ったら、同じ収入でも手取りが変えられるって気づいてちょっとワクワクしたワン。

収入=そのまま課税されるお金ではない

「年収いくらですか?」と聞かれたときに答えるのは、多くの場合“収入”です。
ですが、所得税の世界では、収入はスタート地点にすぎません。

収入…会社の給与、ボーナス、副業の売上など「入ってきたお金の総額」

所得…収入から必要経費などを差し引いた「実際にもうかった部分」

課税所得…所得からさらに各種控除(基礎控除・配偶者控除・扶養控除など)を差し引いた、最終的に税率をかける金額

つまり、税率がかかるのは「年収」ではなく「課税所得」です。
ここを取り違えると、「こんなに税金取られてるの?」とモヤモヤしやすくなります。

ちなみに、「自分の課税所得がいくらくらいか」を即答できますか?
もしパッと出てこなければ、あとで一度、源泉徴収票や確定申告書を見ながら確認してみるのがおすすめです。

控除が“最後のひと押し”になる理由

控除というと難しく聞こえますが、イメージとしては「税金計算前の割引」です。

基礎控除:すべての人が原則受けられる

配偶者控除・扶養控除:家族構成によって受けられる

社会保険料控除・医療費控除・生命保険料控除 など

収入が同じでも、控除が多い人ほど課税所得は小さくなり、結果的に負担する所得税も少なくなります。
子育て中だと、医療費が一時的に増えたり、保険を見直したりすることも多いですよね。そういうタイミングで、「これは控除の対象になるのかな?」と一度立ち止まるクセをつけておくと、後から後悔しにくくなります。

余談ですが、私自身「本当は面倒だから、控除は最低限だけでいいかな…」と思っていた時期もあります。ただ、一度ちゃんと整理してみたら、思っていた以上に税額が変わって、さすがに考えを改めました。

2. 2025年版・所得税率表と速算表の「正しい読み方」

みらい犬

税率表って最初はただの数字の羅列に見えるけど、「自分がどの段」にいるか意識し始めると、働き方を考える材料になるって気づいたワン。

2025年版の税率と控除額一覧

所得税は「累進課税」といって、課税所得が増えるほど税率が段階的に上がる仕組みです。
2025年時点の税率と控除額は、参考記事にもあるとおり次の通りです。

課税所得(円)税率控除額(円)
1,000~1,949,0005%0
1,950,000~3,299,00010%97,500
3,300,000~6,949,00020%427,500
6,950,000~8,999,00023%636,000
9,000,000~17,999,00033%1,536,000
18,000,000~39,999,00040%2,796,000
40,000,000以上45%4,796,000

この表の「税率」だけを見ると、「うちは20%ゾーンだから、課税所得×20%だな」と思いがちです。
でも実際には、(課税所得 × 税率)− 控除額 という式で税額を求める必要があります。

たとえば課税所得300万円なら、

該当ゾーン:1,950,000〜3,299,000円 → 税率10%・控除額97,500円

計算:3,000,000 × 10% − 97,500 = 202,500円

となります。ここで控除額を引き忘れると、毎年モヤモヤが続いてしまいます。

境目の金額で焦らないために

「うっかりたくさん稼ぎすぎると、税率が上がって損をする」というイメージを持つ方もいますが、ここは少し冷静に考えたいところです。

税率が“上の段”に上がったとしても、その税率が適用されるのは「その段に乗った部分だけ」です。
とはいえ、年収や副業収入の増加が、翌年以降の税負担にどう響くかをざっくり把握しておくのは大切です。

「副業であと10万円受けるかどうか」「残業をどこまで増やすか」を考えるとき、こうした“感覚的な目安”があると、少し判断しやすくなりますよね。

3. 所得税と住民税の違いを“家計目線”で整理する

みらい犬

ボーナスが増えた翌年、住民税の通知書を見てびっくりしたことがあるワン…。その時に「税金って時間差で効いてくるんだな」と本気で実感したワン。

「今年の所得」と「来年の住民税」はリンクしている

所得税は、その年の所得に応じて計算されますが、住民税は「前年の所得」に基づいて、翌年6月頃から請求される仕組みです。

所得税:国に納める税金。税率5〜45%の累進課税

住民税:自治体に納める税金。おおむね一律10%前後

タイミング:住民税は、前年の所得をもとに翌年に課税

つまり、「今年たくさん稼いだ分」は、来年の住民税として家計に影響してくるということになります。

「今年はボーナスが多かったし、ちょっと贅沢してもいいかな」と思った翌年、手取りが急に減った感覚になったことはありませんか?
その“ギャップ”の正体が、住民税や社会保険料の増加だったりします。

会社員と自営業・副業ありの人の違い

会社員の場合、所得税は源泉徴収と年末調整である程度完結しますが、自営業・フリーランス・副業ありの方は確定申告で最終的な額を自分で確定させる必要があります。

余談ですが、私も最初の確定申告のとき、「本当は何がどの税金につながっているのか、よくわかっていないけど、とりあえず言われたとおりに入力している…」という感覚がありました。
そこから一歩踏み込んで勉強していくと、「所得税」と「住民税」をセットで見る習慣がついて、急な負担増で慌てることが減ります。

4. 控除・経費・申告でよくある“つまずきポイント”

みらい犬

レシートの山を前に「これは経費?ただの買い物?」って悩んで止まっちゃった夜があるワン。でも、完璧じゃなくても「迷ったらメモ」だけは続けるようにしたワン。

よくあるミスと、日常でできる予防策

「ちゃんとやらなきゃ」と思うほど、時間だけ過ぎてしまうのが税金まわりですよね。
私自身の反省も込めて、よくあるパターンを整理してみました。

つまずきポイント内容日常でできる対策
控除の申告漏れ配偶者控除・扶養控除・医療費控除などを見落とす年末に「控除チェックリスト」を自作して、毎年使い回す
経費の記録抜け「あとで入力しよう」と思ってレシートだけ増えるスマホのメモアプリで、その日のうちに用途だけ記録しておく
副業の申告忘れ少額だからといって申告しない、または集計が曖昧「副業用口座」を分けて入出金を見える化する
制度の“思い込み”「うちは当てはまらないはず」と決めつけて調べない一度だけでいいので国税庁や自治体サイトを確認しておく

ここで大事なのは、最初から完璧を目指さず、「来年は今年より一つだけ改善する」スタイルにすることだと感じています。
読者の方は、どの項目が一番思い当たりましたか? 一つだけでも「ここを直そう」と決めておくと、だいぶ気持ちが楽になります。

5. 節税の“王道”と2025年に意識したいポイント

みらい犬

節税って、特別なテクニックより「制度を知って淡々と使う人」が一番強いって実感してるワン。子育てしながらでもコツコツ続けられるのが理想だワン。

経費・青色申告・iDeCo・ふるさと納税の基本

参考記事でも紹介されているように、王道の節税ポイントは次のあたりです。

経費をきちんと記録する

青色申告(最大65万円控除)を活用する

iDeCo(掛金が全額所得控除)

ふるさと納税(自己負担2,000円で税額控除+返礼品)

特に、「課税所得を減らすタイプ」の制度(経費・控除)と、「税額を直接減らすタイプ」の制度(税額控除)があることを意識しておくと、どの制度を優先するか考えやすくなります。

ちなみに私は、子どもが寝たあとに、ふるさと納税の返礼品(お肉やお米)を家計簿アプリとにらめっこしながら選ぶ時間が、ちょっとした楽しみになっています。完全にお得だけを追いすぎると疲れてしまうので、「家計の安心」と「小さな楽しみ」のバランスを取りつつ続けています。

子育て世代ならではの視点

子どもがいると、どうしても教育費・医療費・保育料など、支出の“波”が大きくなりますよね。

医療費が年間10万円を超えそうなときは、医療費控除の対象になるかチェック

塾や習い事で支出が増えた年は、他の節約よりも先に「税金まわりを整える」ことを意識

将来の教育費に備えて、iDeCoやつみたて投資など“税制優遇がある資産運用”も選択肢に

「節約」と「節税」は似ているようで違うので、どちらもバランスよく取り入れたいところです。
正直なところ、私も最初は「節税って、ちょっと難しそうで後回し」にしてしまっていました。でも、少しずつ仕組みを知ることで、「ここは手を抜いていい」「ここは押さえたい」の線引きができるようになってきます。

6. 年収・家族構成別のざっくりシミュレーション

みらい犬

具体的な数字を見ると、急に現実味が出てくるワン。「もし来年こうなったら…」って妄想しながらシミュレーションするの、ちょっと楽しいワン。

あくまで目安としてのイメージ作り

細かい数字は年末調整や確定申告で決まりますが、「大体どのくらい所得税がかかりそうか」を知っておくと、家計の見通しが立てやすくなります。
ここではざっくりとしたイメージを共有します(社会保険料などは考慮せず、かなり単純化しています)。

ケース年収(目安)家族構成課税所得のイメージ所得税額の目安
A:会社員・共働き450万円配偶者・子どもなし控除後で約300万円約20万円前後(10%ゾーン)
B:会社員+副業本業400万+副業100万配偶者・子ども1人控除+経費で約350万(350万×20%−427,500)で約27万程度
C:フリーランス売上800万・経費200万配偶者・子ども2人所得約600万→控除後約450万(450万×20%−427,500)で約47万程度

ここでお伝えしたいのは、「年収そのもの」より「経費・控除を差し引いた後の課税所得」がカギという点です。
読者の方ご自身の状況に近いケースをイメージしながら、「うちの税負担はどのくらいになっていそうかな?」と考えてみてください。

7. よくある疑問Q&Aでモヤモヤを解消

みらい犬

「こんなこと聞いていいのかな?」って思う質問ほど、みんな同じように悩んでるって感じるワン。遠慮せずに小さな疑問からつぶしていくのが大事だワン。

副業・ボーナス・扶養ラインの素朴なギモン

Q1. 副業の所得が20万円を超えたら、本当に確定申告が必要?
→ 原則として「給与以外の所得が20万円超」の場合は、確定申告が必要になります。ここでのポイントは、「売上」ではなく「経費を差し引いた後の所得」で判断することです。

Q2. ボーナスが増えた年、翌年の手取りが減った気がするのはなぜ?
→ 前年の所得が増えたことで、翌年の住民税や社会保険料が増えている可能性があります。「去年の源泉徴収票」と「今年の住民税決定通知」を並べて見てみると、リンクが見えてきます。

Q3. 扶養から外れる・外れないの判断って、どこを見ればいい?
→ 所得額のライン(103万円・106万円・130万円など)によって、所得税・住民税・社会保険の扱いが変わります。「どのラインが自分の家庭にとって一番バランスがいいか」を、手取りベースで考えるのがおすすめです。

8. まとめ:税金の“正体”がわかると、家計の不安が減っていく

みらい犬

税金って、感情的には「取られてる」って思いがちだけど、仕組みがわかると「ここは自分でコントロールできる」って部分も見えてくるワン。それだけで気持ちがちょっと楽になるワン。

正直なところ、私もずっと「税金のことは難しいから、詳しい人に任せたい」と思っていました。
でも、家計を預かる立場として、まったく知らないままでは不安が消えなかったんですよね。

この記事でお伝えしてきたポイントを、最後にぎゅっとまとめると…

税率がかかるのは「年収」ではなく「課税所得」

所得税と住民税は、タイミングも性質も違うが、家計にとってはセットで考えるのが大事

控除・経費・制度(青色申告・iDeCo・ふるさと納税など)を知るだけで、同じ収入でも手取りが変わる

完璧を目指すより、「今年より来年を少しよくする」くらいの気持ちで続ける方が結果的にラク

もし今、「なんとなく毎月引かれている税金が不安」「来年の住民税がちょっとこわい」と感じているなら、今日の記事の中から一つだけでいいので、実際の行動に落とし込んでみてください。

例えば、
「今週末、源泉徴収票を見ながら課税所得をチェックしてみる」
「来月までに、ふるさと納税の上限額だけ調べておく」

そんな小さな一歩でも、数年たつと大きな差になります。
税金の仕組みを“味方”にして、家計と将来の安心を少しずつ積み上げていきましょう。