年金の通知書に書かれた額より、通帳への入金が少ないのはなぜでしょうか。主な理由は税金や保険料の天引きですが、引かれる項目は人によって異なります。
年金の支給額と手取り額が違う理由
みらい犬
老齢基礎年金や老齢厚生年金では、支払額から所得税、住民税、医療保険料、介護保険料などが差し引かれることがあります。差引後振込額=年金支払額-天引き額が基本です。ただし、すべての項目が全員から引かれるわけではありません。
公的年金は原則として偶数月の15日に前月・前々月分が支払われます。通知書の「年金支払額」が2か月分なら、家計の月額に直すときは振込額を2で割る必要があります。別の年金や給付金を受けている場合は、通知や入金が分かれていないかも確かめましょう。
| 主な項目 | 確認のポイント |
|---|---|
| 所得税および復興特別所得税 | 課税対象の老齢年金から、源泉徴収の対象になる場合に控除 |
| 住民税 | 自治体が特別徴収の対象とする場合に控除 |
| 医療保険料 | 国民健康保険料・税、または後期高齢者医療保険料などが対象 |
| 介護保険料 | 65歳以上の第1号被保険者で、特別徴収の対象になる場合に控除 |
ここでいう天引きは年金からの「特別徴収」です。天引きされていなくても、納付書や口座振替で支払う場合があります。反対に、障害年金・遺族年金は非課税のため所得税は源泉徴収されませんが、一定の条件では保険料の特別徴収対象になり得ます。
税金は何が引かれる?所得税と住民税の違い
みらい犬
老齢年金は「公的年金等に係る雑所得」として所得税の対象です。ただし、年金額の全額に税率を掛けるわけではありません。公的年金等控除や、提出済みの「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に基づく控除などを踏まえ、源泉徴収の要否・税額が決まります。令和7年度税制改正による所得税の基礎控除等の見直しもあるため、以前聞いた「年金が年○万円以下なら必ず非課税」という説明だけで判断しないことが大切です。
年金から源泉徴収された所得税は、確定申告によって精算が必要になる場合や、還付を受けられる場合があります。医療費控除などを確認したいときは、日本年金機構の源泉徴収票と国税庁の案内を参照してください。なお、申告不要制度に該当しても、住民税の申告が必要な場合があります。
住民税は原則として前年の所得を基に自治体が計算します。一定の条件を満たす65歳以上の公的年金受給者は、年金からの特別徴収となります。所得税が引かれていないのに住民税だけ引かれることや、住民税額が年度途中の年金振込額に影響することもあります。金額の根拠は市区町村から届く住民税の税額決定通知書で確認しましょう。
医療保険料と介護保険料が天引きされる条件
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65歳以上の介護保険料は、原則として対象となる年金の年額が18万円以上などの条件を満たすと、年金から特別徴収されます。医療保険料も、国民健康保険に加入する65~74歳の対象世帯や、75歳以上などの後期高齢者医療制度の加入者では、条件に応じて特別徴収されます。
ただし「年金が年18万円以上なら必ず天引き」とは限りません。国民健康保険では世帯主・世帯内の加入状況や年齢なども関係します。また、介護保険料と医療保険料の合計が、対象年金の支払額の2分の1を超える場合などは、医療保険料が天引きされないことがあります。口座振替への変更を選べる場合もあるため、詳細はお住まいの市区町村に確認してください。
65歳になった直後、転入した後などは、特別徴収の開始まで納付書や口座振替で支払う期間が生じることがあります。天引きが始まる月や、途中で止まる理由は保険料の決定通知書も併せて見ると把握しやすくなります。
年金振込通知書で内訳と入金額を確認する手順
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日本年金機構の年金振込通知書には、年金支払額、各控除額、差引後振込額などが記載されます。まずは次の順番で照合しましょう。
- ①対象の支払月を見る:通帳の入金日と、通知書に記載された支払月を合わせます。
- ②年金支払額を確認:税金・保険料が引かれる前の額を見ます。
- ③控除欄を確認:所得税、住民税、介護保険料、医療保険料をそれぞれ確認します。空欄なら、その通知書では該当額が引かれていないかを確かめます。
- ④差引後振込額を照合:通知書の額と実際の入金額を比べます。
たとえば2か月分の年金支払額が30万円、所得税2,000円、住民税6,000円、医療保険料12,000円、介護保険料10,000円なら、差引後振込額は27万円です。これは計算の見本で、実際の控除額ではありません。
金額が変わったら、所得税は日本年金機構の源泉徴収票や国税庁の情報、住民税・保険料は市区町村の決定通知書を確認しましょう。年金支払額自体に疑問がある場合は、ねんきんネットや年金事務所で確認できます。通知書を紛失した場合の再発行手続きも日本年金機構に相談できます。
【シミュレーター】天引き後の年金手取りを試算してみよう
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年金振込通知書に記載された2か月分の支払額と各控除額を入力し、差引後振込額を照合するための試算です。税額や保険料額そのものを判定するものではありません。
医療・介護保険料の年額を年金の年6回の支給に均等配分し、天引きと別途払いで振込額がどう異なるかを比較します。所得税・住民税、その他の控除は含めていません。実際の天引きの対象・金額や納付時期は通知書と自治体からの案内で確認してください。
結果が通帳の入金額と違う場合は、支払月、入力した控除額、ほかの入金の有無を確認してください。通知書に記載のない支払いは、年金の天引き額に含めず家計の支出として別に管理しましょう。
まとめ:年金の手取りは通知書で確認しよう
みらい犬
年金から天引きされる主なものは、所得税・住民税・医療保険料・介護保険料です。引かれる項目や金額は、所得、年齢、加入する医療保険、自治体の決定などによって異なります。年金振込通知書で支払額と控除額を確認し、不明点は税金なら国税庁・市区町村、保険料なら市区町村、年金支払額なら日本年金機構へ問い合わせましょう。
免責:この記事は2026年10月16日時点の制度・公表情報を基にした一般的な解説です。個別の課税・保険料や今後の制度変更は、国税庁、日本年金機構、お住まいの市区町村の最新情報をご確認ください。
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